「水素エネルギー研究開発センター」などグッドデザイン・フロンティアデザイン賞のグッドデザイン一覧

グッドデザイン・フロンティアデザイン賞に関するグッドデザイン一覧を表示

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水素エネルギー研究開発センター

次世代のエネルギーとして期待される「水素」の可能性を、創意と工夫をこらしたデザインによって表現し、新しい技術の情報の発信拠点としてつくりあげている。新しいエネルギーとそれらがもたらす新たな社会を可視化することで、クリーンな水素社会の実現を推進する大きな力となることを期待する。

人間の意図を推定して社交ダンスを踊るダンスパートナロボット

人の動きを予測して踊ってくれるロボット。パートナーロボットの新領域としてとてもおもしろい。「柔かいロボット」としてのさらなる進化を期待している。

こども+くすり+デザイン

本子供の服薬に関するデザイン研究は、デザインアプローチ（ユーザー、生活シーンなど）の視点を親、特に子供の立場から課題の整理と解決策の提案を、サーチ、ワークショップ、デザイン開発、展示を組み合わせてユーザー参加型のデザイン開発手法により行った点を高く評価した。少子化が進むなかで市場が小さいため企業がなかなか開発しないテーマに取り組んだことは、グローバル市場においてデファクト化する可能性もありユーザーにとっては無論、企業にとっても大きな意義を持つ内容である。

structured creature

将来におけるインタラクティブな建築空間デザインを指向して、そのプロトタイプとして制作されたメディアアート作品である。張力材として実装された人工筋肉の制御にとって自在に変形する構造体の試みは、もちろん課題は多く残されているが、未来を予感させる実験的かつ先駆的なデザインである。

古来より日本に根付く概念「つなぐ」をテーマにした住文化の提案

「つなぐ」というジャパンバリューなコンセプトを、概念としてだけでなく、デザインのトータルコーディネートとして形にしている点が評価できる。

4つの指標種を用いた生物多様性都市のデザイン（生態系サービスを活用した一連のプロジェクト）

いきものにぎわうまち

都市に自生する人間以外の生物と言えば、カラス、ゴキブリ、ネズミといった名前しかでてこない。これらの種は人間社会が生み出した廃棄物や副産物を生命の糧としている。このプロジェクトは、ヤギ、ニホンミツバチ、ベンケイガニ、シジュウカラといった生物種を上手に活用して、都市の中の生物の多様性を「見える化」させようとする試みである。都市の緑化によって増加する雑草の除去にヤギを用いたり、虫の発生をシジュウカラを用いて捕食/被食の関係を再構築することで緩和させたりすることによって、都市生活者が納得できるエコシステムを取り戻そうとする点が評価できる。鳥類、昆虫、動物にも参加してもらって都市の循環システムを再構築していこうという試みには人類の都市生活の未来を感じることができる。将来的には、すでに存在しているカラス、ハト、ダニ、アリといった種との共存も含めたよりホリスティックなエコシステムへ発展させていって欲しい。

ドライバーズフォント

自動車の運転は、持続的な集中力を保ちながら、刻々と変化する状況に対応しなければならない。情報化が進む最近の運転環境下では、そうした間断ない操作の間にも、必要な情報を得るために一瞬にして文字を読み取らなければならない頻度も増えている。それに対しての、ドライバーにとってのストレスを軽減し、正確な情報伝達を行うために、一瞥しただけで読み取りやすいフォントを開発するというプロジェクトである。人の認知と視覚情報というデザインの本質的な課題にじっくり取り組むことによって、情報環境の質は間違いなく高まり、安全性も高まると思われる。とかく表層的な演出効果を優先させがちであった車の操作系や表示系に正攻法のメスが入るのは頼もしい。デジタルフォントという、古典的なようでありながら実は未開拓な研究分野は、まさにフロンティアデザインの領域である。

日時や各種センサー情報による検索が可能な映像監視システム

大型事務所ビルなどの監視システムでは、大量の蓄積映像から対象（例えば特定の人物像）を抽出するために厖大な作業が必要とされ、それが監視員の負担となっている。ここでは対象の効率的な検索を目的として、従来の日時や各種センサー情報に加えて、「顔」や「車両番号」などの自動認識結果を利用するシステムを開発している。技術のみならず大量の映像の検索を可能とする優れたインタフェースデザインが高く評価される提案である。

LimpiDual Touch

タッチ式のディスプレイは、そこに指でタッチすると情報は指に隠れて見えなくなってしまう。これを解決するにはディスプレイを透明にして背面からもタッチできるようにすればよい。またそうすれば前面と背面を使うことにより、二人が対話しながら情報を操作することもできる。このようなアイデアから生まれた本提案は、今後のディスプレイの新たなスタイルを予感させる先駆的なデザイン活動である。

異文化交流から創造の場へ-明日の中国デザイン界をになう若いデザイナーならびに教育者の育成-

工業デザイン研修など、独自の留学制度に可能性を感じる。中国などへの援助を長年続けている対応も評価できる。サムスンデザインアカデミーのリージョナル版として、今後の他社、他国への波及効果にも期待したい。

「楽しく子育て」できる安心賃貸マンション

子育て世代のコミュニティ形成を意識した新しい発想の賃貸マンションの提案。子育てに、地域共育という考え方のコミュニティデザインを評価した。今後、この新しい提案のマンション販売や、共育に祖父母を参画させていくことで、ユニバーサルなコミュニティデザインに発展する可能性がある。

マンションと高齢者住宅の共同開発

新しい高齢者とのコミュニケーションを意識した施設デザインの提案。介護システムなどを、居住空間に融合させようというデザイン発想は、今まであるようでなかった提案かもしれない。

血管内カテーテル治療を受ける患者が浴びる放射線を測定する帽子一体型線量計(RADIREC. CAP)と、その線量分布を記録するカルテ(RADIREC. CHART)による新しい医療被ばく低減システム

放射線被ばくという医療現場の現実的な課題に対するアイデアとしても極めて重要な試み。線量分布図に着目した点も新領域的である。

お湯に炭酸ガス（二酸化炭素）が高濃度に溶け込んでいる温泉（炭酸泉）を中空糸膜技術の応用により実現。ヨーロッパでは古くから効果が認められていた温泉を日本でも手軽に経験できるように装置を開発した。

中空糸膜技術という基板技術を多様な新業態に展開した点を評価。中越地震被災地へ炭酸泉温浴を提供したCSR事業の取り組みも特筆できる。

ABILCORE

自動車に用いられるECU（エンジン・コントロール・ユニット）である。自動車部品の中では脇役に回る傾向にあり、かつ車種によって大きさや形状が千差万別であるために、積極的な造形がなされない傾向にあったECUに、統一感のあるデザインを与えたことをまず評価したい。しかもコネクター部分を強調し、近くにロゴを配したことで、ブランドイメージを分かりやすく表現しており、入念な仕上げと落ち着いたカラーによって、鑑賞に値するレベルまでクオリティを引き上げている。造形の標準化を行ったことで、広範な対応、迅速な開発、コスト低減、小型化などを実現し、車両開発に貢献している面も注目できる。

脳科学による人間指向ソリューション

小型機器にすることによる商品化や日常生活における汎用性などの点で、現実味のある提案になっている。また、提案内容の完成度も高く、今後脳の活動データを規格化できる可能性もあると思われる。それと同時に、現在では「脳に良い」と謳われているものを脳科学が適切に活用されているか等、真偽も含め、評価する審査会を設置する試みも新領域的で面白い。ただし、これを現実化する際のプロダクトデザインのクオリティや過剰なプロモーション、審査会の厳格さや、「解っていることと、解らないこと」に対する正直さなど、具体的ないくつかの問題には気を付けなければならないと感じる。

Vo-Cal

ロボットの音声合成をソフトウェアではなく、人工声帯と人工声道を組み合わせた機械的な発話機構で実現しているところがユニークである。これを優れたデザインで可視化することによって、コミュニケーションロボットに不思議な生命が吹き込まれている。音声合成技術のビジュアルな教育素材としても興味深い。

子ども向けユニバーサルデザイン/ ペルソナマーケティングの実践　富士通　キッズコンテンツ作成ハンドブック

避けては通れない情報化社会。インターネットを通じて、膨大な情報が行き交い、それを通じて得られる知識の幅も格段に広がった。良い意味でも悪い意味でも、子供も同様にそれに巻き込まれざるを得ない。この商品は、ならばいっそそれを健全な形で伸ばしていこう、という意欲的なプログラムだ。まだあまり目を向けられなかった所に着目した先進性を評価したい。また、本来的な意味でのユニバーサルデザインの理念にも合致した取り組みと言える。

プレフィルドシリンジキットのデザインによるワクチン接種のデザインシステム提案

感染症に悩む低開発国への支援を、ワクチン接種キットというものづくりと融合させた点が評価できる。廃棄計画、アドプランまでを組み込んだデザインマネジメントシステムも優れている。

電気設備機器や情報家電をネットワーク化することで、さらに豊かな暮らしを目指したシステム

ネットワークシステムを気軽さに構築できるシステムデザインを評価。携帯電話による遠隔操作ニーズが台頭するなかで、扱いやすいツールの登場は社会的意義もある。

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