ヤタイ広場
東日本大震災により市街部のほぼ全域が瓦礫と化した大槌町における、被災者が集まれる場所、「屋台のある広場」のデザインである。人と人とのつながり、人と土地とのつながりを一瞬にして失った絶望の淵において、デザイナーに何が出来るのかという問いに対する答えがこのデザインだ。デザイナー個人のアイデアや独創性を根拠とするデザインではなく、人のつながりを形にしたデザインである。やがてこの場所は消えてなくなってしまうであろうが、復興を成し遂げた人々の心に思い浮かぶのはこの「屋台のある広場」の風景であり、傷ついた心を癒し、奮い立たせた人とのつながりであろう。本応募対象は、デザインの新たな使命、可能性を示している。