シセイドウ・カンセイ・デザインラボ
ゆっくりと動き続ける三台のロボットと、それに連動して描き出される鮮やかな映像。あたかも実験中の様子を眺めるかのようなウィンドウディスプレイのデザインである。ロボットやセンサーが化粧品の美を表すというコントラストに驚かされるが、そこには無理なギャップはなく、逆に無機的な美と有機的な美が混ざり合うような新しい美意識が感じられる。それは、触覚という言葉では伝えきれない感覚を、最新のテクノロジーと繊細なビジュアルを組み合わせ、空間の佇まいとしてまとめあげているからだろう。化粧品に限らず、さまざまな角度から「美」へのアプローチを模索している同社の企業姿勢を見事に表現するとともに、単なるプロモーションの域を超えた、アートとサイエンスの一体化をも感じるアプローチであるといえる。