中町ビルSEED
2010年度 グッドデザイン賞 受賞
採光条件の悪さなどの理由で、とかく死んだ空間になりがちなビル中央部をテナントの共用空間として再生している試みは、ありふれたビルに高い付加価値を生み出す点で成功している。
また小さなコーナーをたくさんもったテーブルなどの家具は、同時に様々な活動を許容するだけの余地があり、テナントの共用空間として上手く活用されていく可能性を感じさせてくれる。
中町ビルSEEDの概要 | 中町ビルSEEDは、広島市中心部にある築35年の古いテナントビル2階のワンフロア(約100坪)をSOHOフロアにリノベーションしたものである。 背景には、昨今の経済状況化により、この広さのテナントは市内中心部でも賃貸がつきづらく、約2年近く空いた状態だった。 計画では、各テナント7戸は約9坪前後に区切り、残りの部分をあえて共用部分として広くとった。 公園のように自由に使える共用部分として考え、運営方法も入居企業が商談、展示会、セミナーなど活発な情報発信ができるようにしている。 そういった活動をすることで種をまき、実らせていくイメージが、「SEED」という名前の由来となっている。 |
達成しようとした目標 | 共用部を広くとり、公園のように自由に使える空間とし、各テナントが商談、展示会、セミナーなど活発に情報発信できる場をつくることで、各企業が顧客とのコミュニケーションをより多くとってもらい、自社の繁栄に役立ててもらいたいと考えている。 また、建物オーナーサイドとしては、細かく区切ることでこの賃貸フロアのリスク分散をはかり、再び家賃収入を得ることを目標としている。 |
ディレクター | 株式会社SMART ONE DESIGN 假屋 誠 |
デザイナー | 株式会社SMART ONE DESIGN 假屋 誠、越智 寿美礼 |
中町ビルSEEDのデザインについて | 共用部を各入居テナントに有益なものをつくりたいと思い、共用部には商談や打合せ、仕事をしている風景をイメージして大きなひとつながりのデスクを作った。 さらに床を一段上げたギャラリースペースは、各テナント商品の展示会やセミナーなどに使え、普段はくつろげるラウンジスペースとして自由度のあるデザインとした。 このSEEDでコミュニケーションが生まれ、活気のある場となることを期待している。 |
中町ビルSEEDはどのような使用者・利用者を想定したか | 会社の規模は4,5人ぐらいの小規模な会社を想定した。 具体的な企業イメージはアーティスト、建築家、グラフィックデザイナーなど様々なクリエイターや士業の方、起業間もない会社の方を考えている。 |
中町ビルSEEDはその使用者・利用者にどのような価値を実現したか | 小規模な企業は、イベントや商品展示などをする場合、通常は他の場所を借りて、行うことになるが、自由に使える広い共用部分があるために活発に活動ができる。 さらに費用の面でも各テナントは約9坪程度に区切られているため、家賃が10万円以内であり、広い共用部を按分して家賃計算に入れると周辺相場より1割程度安く提供している。 |
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オフィシャルサイト | http://www.smart-one.jp |
著作権利者:(C)JIDPO GOOD DESIGN AWARD [ G-Mark Library ]