山代温泉・湯の曲輪

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建築および広場

コミュニティ・地域社会のデザイン

加賀市 (石川県)山代温泉財産区 (石川県)株式会社内藤廣建築設計事務所 (東京都)ナグモデザイン事務所 (東京都)株式会社文化財保存計画協会 (東京都)株式会社日本海コンサルタント (石川県)

グッドデザイン・地域づくりデザイン賞

山代温泉の1300年の歴史を育んできた源泉が流れ込む共同浴場の「総湯」を取り囲むように旅館が並ぶ街区「湯の曲輪(ゆのがわ)」の再興プロジェクトである。

「湯の曲輪(ゆのがわ)」を広場に、明治期の総湯を復元した「古総湯」を中心に据え、別に共同浴場「総湯」を新設することで、住民と来街者双方における出会いの場、まちづくりの原点の場、そして山代温泉の歴史を誇り未来への期待をつなぐ潜在的な街の価値を再生したデザインである。

山代に生きる人々との対話と信頼から創出した、山代の未来へ継承する有形・無形の美しい“すがた”をかたちづくっている。

山代温泉・湯の曲輪(ゆのがわ)の概要山代温泉は行基上人以来「湯の曲輪(ゆのがわ)」を中心に1300年の歴史を刻んできました。
「湯の曲輪」とは、源泉が流れ込む「総湯(共同浴場)」を旅館が囲むように形成された街区を指し、江戸中期には温泉街特有の街並を形成していました。
この応募対象は「湯の曲輪」を中心とした街造りの取り組みです。
明治期の総湯を「古総湯」として湯の曲輪の中心に復元し、これとは別に市民の為の共同浴場として「総湯」新設し、更に「湯の曲輪」を広場として一体的に整備しました。
精神的にも物理的にも街の中心である「湯の曲輪」を整備することで、街全体が蘇生する大きな流れが出来、このプロセスでデザインが果たした役割は絶大でした。
プロデューサー加賀市 山代温泉財産区
ディレクター内藤廣 南雲勝志
デザイナー総湯:内藤廣 株式会社内藤廣建築設計事務所 道路・広場トータルデザイン:南雲勝志 ナグモデザイン事務所 古総湯:矢野和之 株式会社文化財保存計画協会 道路・広場実施設計:黒木康生 株式会社日本海コンサルタント
山代温泉・湯の曲輪(ゆのがわ)の開発・企画についてサステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと
時間を重ねてきたもの、これまで地元の風景を形成してきたものに敬意を払ました。
「総湯(市民湯)」では、かつて湯の曲輪に面して建っていた旅館の外観を踏襲し、解体保存された門を再利用するなど、全体として控えめだけれども存在感のあるデザインとしました。
「古総湯」では、地域特有の赤瓦や棟石(笏谷石)を収集し再利用しました。
「湯の曲輪」の景観としての価値を見出し、過去から未来へとつなぐ風景創出を目指しました。
山代温泉・湯の曲輪(ゆのがわ)のデザインについて「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること
今回の事業の中心的施設である「古総湯」にはシャワーもなければ洗い場もありません。
あるのは復元された往時の浴室と、質のよい源泉、そして「入浴心得」です。
これはかつての総湯で掲げられていた看板ですが、これまで資料庫に眠っていました。
「霊湯に対して感謝を捧げましょう」で始まる入浴心得。
これには、人に対する思いやり、自然の恵みへの感謝の念、そして山代温泉への誇りがこめられています。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること
今回新たに「総湯」と「古総湯」がつくられたことで、「湯の曲輪」の歴史を感じながらゆったりと日々の疲れを癒せる場となりました。
「総湯」では、湯上りに街の人達のおしゃべりが弾み、「古総湯」の2階では湯の曲輪を眺めながらのんびりする人達がいます。
「湯の曲輪」では市民や観光客がそぞろ歩きをし、ベンチに座って休む人達がいます。
日々の生活の中で、広場としての「湯の曲輪」の風景が根付きつつあると思います。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること
山代は九谷焼をはじめとした伝統工芸が産業として今に息づく土地です。
当事業でも、サインの陶板をはじめ、「総湯」及び「古総湯」の壁及び床に地元の作家に製作していただいたものを使用するなど、地場の伝統工芸の素晴らしさを街の人々をはじめ、旅で訪れる人々にさりげなく伝えられるよう工夫しました。
再興した「湯の曲輪」の景観は、山代温泉の顔として街のPRに活かされています。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること
社会のニーズや価値観は目まぐるしく変わります。
山代にとって未来に引き継いでゆくべき大切なものは一体何か。
それは街の「歴史」であり「山代に生きる人々」にあると考えます。
「湯の曲輪」の景観を再興することは、時間の流れの中で多様な価値観にもまれながらも残ってきた街の普遍的な価値を見つけ出し、光を当てることでした。
山代温泉が再生することは、全国の温泉地再生の範として道筋の一つを示すことになるはずです。
ユーザー・社会に伝えたいこと不易流行。
「変わるもの」と「変わらないもの」を見定め、それを市民と共有し、具体的な形に置き換えること。
それを街造りの中で具体化したのがこのプロジェクトです。
変わるものは利用者の目であり、変わらぬものは「風土」です。
街造りでは、このふたつをうまく組み合わせることが大切であると考えています。
「山代温泉・湯の曲輪」で実現したことは、住民が気付きさえすればあらゆる場所で可能なはずです。
どこで購入できるか、どこで見られるか石川県加賀市山代温泉地内山代温泉観光協会【公式ホームページ】
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