日立駅周辺地区整備事業

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日立駅周辺地区整備事業

公共用途の建築物・空間

日立市 (茨城県)

グッドデザイン賞

しがらみが多く、なかなかデザイン性を維持することが難しい駅舎において、単純明快で気持ちの良い建築を実現させている。

多くの関係者間の調整を図りながら、ここまでシンプルに海と町を眺められる駅舎を実現させたことは特筆に価する。

ホームからコンコースに上がった時に眼前に広がる海の景色は、駅を利用する人々の日常の中でかけがえのないものとなるであろう。

突き当りの展望空間は恐らく人気のデートスポットになっていることが予想される。

建築が完成したら終わりというのではなく、完成後に建築の良さが永く存続していけるためのガイドラインを策定している点も高く評価したい。

日立駅周辺地区整備事業の概要東日本大震災を乗り越え、平成24年4月7日、日立市の新しい玄関口となる日立駅が誕生しました。
日立駅自由通路と橋上駅舎は、周辺環境になじむよう高さを低く抑え、平面的に広がりながら、自由通路東西口の公共施設や駅前広場へと繋がり、一体的なまとまりを作り上げています。
建物全面は透明なガラススクリーンに覆われ、至るところから海やまちを眺めることができる開放的な空間としました。
自由通路東口先端からの眺めは圧巻であり、眼下には太平洋の大パノラマが広がり、吸い込まれそうな景色に誰もがワーっと感嘆の声を上げます。
単なる通過点であった駅が、訪れた人々の記憶に残り、明日への生きる活力を与える場所となっています。
プロデューサー日立市都市建設部日立駅周辺整備課、東日本旅客鉄道株式会社水戸支社
ディレクターデザイン監修:妹島和世建築設計事務所、担当/妹島和世、川嶋貫介※、長谷川高之、片桐広祥、太田定治※、山下貴成(※元所員)
デザイナー妹島和世建築設計事務所、東日本旅客鉄道株式会社水戸支社、ジェイアール東日本建築設計事務所、株式会社長大、株式会社杉原設計事務所
日立駅周辺地区整備事業の開発・企画についてサステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと
自然エネルギーの活用として、自由通路の屋根面に、10kwの太陽光発電パネルを設置し、使用電力量の抑制に努めています。
昨年、東京電力管内では、15%の節電目標が立てられましたが、太陽光発電や照明の減灯等により、その目標を達成しました。
また、建物床面端部に換気スリットを、天井裏にファンを設置し、空気循環させるとともに、シンプルな形状である自由通路は、海風が通り抜け、室内気温の上昇を抑えています。
日立駅周辺地区整備事業のデザインについて「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること
エレベーター等のバリアフリー施設の設置、わかりやすいサイン表示、シンプルで歩行者を優先した移動動線と誘導ブロックの敷設など、誰にでも使いやすい、ユニバーサルデザインの思想をもって取り組みました。
また、ホームからコンコースに上がった瞬間に海を一望できる空間は、通勤・通学時等において、心が軽やかになり、今日を生きる活力を与えています。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること
毎日使う駅だからこそ、ヒューマンスケールな空間が必要です。
そのため、建物は大規模な構造体でありながらも、柱などについて、出来る限り軽やかな構造体とするとともに、ガラススクリーンを全面に使用することによって、海やまちの風景を遮らず開放性を高め、日常的に親しみやすい空間を実現しています。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること
駅はまちの中心であり、市内の様々な交流資源への出発点です。
自由通路西側の日立駅情報交流プラザでは、様々な情報の発信や土産品の販売等を行い、商業・観光の振興に寄与することとしています。
また、駅自体が交流の拠点となるよう、自由通路の海側先端部を展望イベントホールとして位置付け、これまでに、駅コンサート、ブライダルフェアなどが行われ、海への眺望を楽しみながら、人々が交流するスペースとなっています。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること
日立市は、昭和58年の約206、000人をピークに人口減少が続き、今や19万人を切ろうとしており、都市の活力の再生が課題となっています。
そのような中にあって、この日立駅自由通路及び橋上駅舎が、日立のまちの新しいシンボルとして、市民が誇れる場所となり、そして、市内外から人々が訪れてみたい場所となり、滞留する空間となって、新たな活力を生み出す起爆剤となることを目指しています。
ユーザー・社会に伝えたいこと今回の各種施設を整備するに当たっては、「記憶に残るデザイン」、「誰からも愛されるデザイン」、「ふるさとを感じさせるデザイン」そして「全ての人に使いやすいデザイン」の実現を目標としました。
誰にでも、ふるさとを想う時に頭に浮かぶ原風景がありますが、この日立駅と駅周辺施設、そこから眼下に広がる太平洋の大パノラマは、長い海岸線を有する日立市に生まれ育った市民にとっての原風景になることを期待しています。
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