都市・建築学専攻仮設校舎 カタヒラ・テン

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応急仮設校舎

公共用途の建築物・空間

国立大学法人東北大学大学院 工学研究科 キャンパスデザイン復興推進室 (宮城県)

グッドデザイン賞

東日本大震災の復旧事業による新校舎完成までの3年弱間の「仮の学び舎」がカタヒラ・テンである。

建築デザイン教育研究活動の核を為す復興のシンボルとなるようデザインされている。

通常の応急仮設建築では実現が難しい水準のデザイン実践を短期間で実現されている。

多面的なスマート、グリーンエコ建築の実証実験が継続的に可能なオープン・アーキテクチャーが実現されており、次世代仮設建築の可能性を示す始点となっている。

地元地域社会に開かれたクリエイター養成やイベントの場の提供も可能としており、社会に開かれたデザイン教育拠点となっている。

都市・建築学専攻仮設校舎 カタヒラ・テンの概要昨年の東日本大震災により、東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻の青葉山校舎が被災し使用不能となった。
復旧事業による新校舎完成までの3年弱間の「仮の学び舎」としてカタヒラ・テンが計画された。
既存のモジュール・プレハブを基本構造に用いながら、サステナブルデザインの実証フィールドを志向し、レジリエンスの高いスマート・キャンパス・ビルディングのプロトタイプとして建築デザイン教育研究活動の核を為す復興のシンボルとなるようデザインした。
プロデューサー東北大学施設部 東北大学大学院工学研究科
ディレクター石田壽一(国立大学法人 東北大学大学院工学研究科 都市・建築学専攻 教授、同工学研究科 キャンパスデザイン復興推進室 室長)
デザイナー石田壽一、錦織真也、小川泰輝(国立大学法人 東北大学大学院工学研究科 工学研究科 キャンパスデザイン復興推進室) 大和リース株式会社
都市・建築学専攻仮設校舎 カタヒラ・テンの開発・企画についてサステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと
大被害を被った東北大学の青葉山東キャンパスでは、復旧業務に際し、「スマート・レジリエント・キャンパス」を掲げ、サステナブル社会に向けた環境整備を志向している。
本計画もプロトタイプの実験フィールドと捉え、屋上緑化+壁面緑化装置(熱環境)、太陽光発電+無停電装置(エネルギー環境)、雨水回収再利用(グリーンインフラ・災害時水源)+地中熱空調システム(室内気候制御)、遮光ルーバー(光熱環境)を装備した。
都市・建築学専攻仮設校舎 カタヒラ・テンのデザインについて「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること
応急仮設建築に特有のネガティブな心象を軽減する工夫を心がけた。
黒い遮光木製ルーバーが連続した外観と外周動線により空間的バッファーを設けることで来訪者への中間領域を形成し、また内部には二つの対比的な中庭(桜の既存樹木、レインガーデン、壁面緑化面に囲われたグリーンガーデンとドライでメタリックなホワイトガーデン)の構成で学び舎を特徴づけている。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること
既存市街地に配置される応急仮設建築は、所与の景観に対する不協和な環境を形成しやすい。
計画敷地は桜や松並木が特徴的な仙台市内でも由緒ある片平地区にあり、日常的な生活環境に負荷を与えないデザインとするために、黒子のようなたたずまいとすることを心がけた。
木製の縦ルーバーと千鳥格子状のサッシュ配置により、建物内外に見え隠れ効果を生みだし、風景の黒子として地域の生活環境に違和感を与えない仮設建築とした。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること
応急プレハブ建築の即応性は被災者のファーストエイド支援が必要な災害復旧時に大きな威力を発揮する。
一方で、制度設計上、エンドユーザーの個別要求や心理的負荷を軽減するような工夫を施すことが半ば困難である。
本計画では応急仮設建築をベースにしたデザイン・カスタマイズを一種のスケルトン・インフィルと捉え整備することで、既往プレハブ産業の次世代モデルの可能性の一端を開示することができたと考える。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること
先端的な研究教育環境におけるプレハブ建築の最適化や持続性を考えることは、次世代型の資源循環社会を目指す上でも重要な課題である。
応急建築の制度上、スペック要件を満たさないスケルトンをいかにカスタマイズして、エンドユーザーのニーズに応えるかは、ファーストエイド(即応性)とパーマネントエイド(恒常性)を繋ぐセカンドエイド(持続性)建築の展開の可能性を示しており、様々な制約を超えて実証モデルを示せた。
ユーザー・社会に伝えたいことファーストエイドの応急性能を満たすだけでは仮設建築は十分ではありません。
建築空間はそこに暮らし学ぶ人々の心理的環境に大きな影響を与えます。
被災地の復旧計画にこそ、こうした点に配慮した仮設建築が求められるべきですが、現行制度は切実な要求に十分応えきれていません。
「仮の学び舎」のプロジェクトが持続性のあるライト・アーキテクチャーとしての仮設建築の可能性を考える契機となることを望みます。
どこで購入できるか、どこで見られるか東北大学片平キャンパスせんだいスクール・オブ・デザイン
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