びおハウス

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<電力抑制下、自然室温で暮らせる家>

住宅や住宅設備

町の工務店ネット+チームおひさま(静岡県)

2011年度 グッドデザイン賞 受賞

自然エネルギーを積極的に取り入れたパッシブ・デザインのプロトタイプ提案としてだけでなく、それを広くユーザーに周知・提供するネットワークの提案である点にも注目したい。

びおハウスの概要われわれは原発を是とするものではないが、結果的に電気をたくさん使う住宅に加担してきた。
ガイガーカウンターの検知音が不気味に鳴り響く「フクシマ」の現実を前に、お前は何をしてきたのだと自省せざるを得ない。
かといって、原発がダメなら太陽光発電というだけでいいのかどうか。
また、自然と応答することで「快」を得た伝統的な住まい方に回帰できるのかどうか。
このジレンマのなかで、われわれはまず建築でやれることは何かを突き詰めた。
目標としたのは、都市において、エアコンを回さないで<自然室温で暮らせる家>を可能にすることだった。
「自然(許容)室温」を担保した上で、さらに小さなエネルギーで「快」を得る道程を示した。
プロデューサー小池一三/町の工務店ネット代表。パッシブソーラー普及に寄与。その功績により、「愛・地球博」で「地球を愛する世界の100人」に選ばれる。『近くの山の木で家をつくる運動宣言』起草者。
ディレクター河合俊和/岐阜市出身。日本大学理工学部建築学科、東京藝術大学美術学部建築科大学院卒業。香山壽夫建築研究所、スタジオアンジェロ・マンジァロッティを経て独立。一級建築士事務所河合俊和建築設計事務所主宰。
デザイナー荏原幸久(熱システム)/郡 裕美(建築設計)/武山 倫(建築設計)/田瀬理夫(ランドスケープ)/趙 海光(建築設計)/半田雅俊(建築設計)/村田直子(建築システム)/村松 篤(建築設計)
びおハウスの開発・企画についてサステナブル社会(持続可能な社会)の実現に向けて、応募対象が取り組んだこと
住宅建築は、世代間をまたがって維持、発展されるものである。
構造のモノコック化とパッシブな建築手法を駆使することで、建築を構成するモノが物質循環を阻害することのないようにした。
南面の軒の出は原則1500ミリとし、建物を日射とモンスーン気候の風雨から守り、基礎に始まり、耐震(日本では特に重要)・耐久性を持ち、また、時代によって生活様態が変化しても対応できる可変的耐用性を、個々のプラン段階から重視する。
びおハウスのデザインについて「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること
人工的な環境に慣れ親しんだ結果、暑さ寒さに弱くなり、日本人のヒフは退化したといわれる。
応募住宅は、デッキとタープテントを利用した夏の戸外生活を称揚している。
また、押し込み(第二種・プラス圧)換気により、蓄熱・蓄冷を介した、穏やかな室内気候を生み、過刺激的でない温熱環境を提供する。
この換気システムは、外壁体を利用し、細密なフィルターを通すことで、スキ花粉などを抑制するシステムとなっている。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること
環境・地域・家族・経済と雇用などの変化を受け、日本の住宅は変容を余儀なくされている。
建築時の家族の「間取り」の要望を取り込むことで受注を得てきた工務店は、従来的な「注文住宅」の手法では対応し切れない事態に陥っている。
モノコック構造によってひろま空間を実現し、自由に室内を構成する設計によって、家族と生活の変化に対応でき、また事情により売却の必要が生じる場合にも、資産価値を持ち得る住宅とする。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること
アモルファス太陽電池を基本仕様にしている。
変換効率は、主流となっている多結晶系のものと比較すると悪いが、美しいこと、軽いこと(耐震上有利)、架台が不要で軒の出や外壁まで利用できること、量産されればコストダウンが可能になることが挙げられる。
高密度な木繊維断熱材は、想定する製品が日本で見当たらないが、市場ができれば、森林林業再生の「出口」として有望視され、石油系断熱材に取って代わる可能性を有している。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること
住宅は土地に固着し、個別散在的に発生する。
住宅は、絶えざるメンテナンスを必要としており、それに建築側が応えるには、地域に在する工務店が担うのが最もふさわしい。
工務店は経済的には零細であるが、日本の戸建住宅の80%は、今も地域工務店によって建築されている。
生産性が低く、前近代的な体質を囲っているが、ネット力を活かし、工務店力を回復させることで改善をはかり、以て社会貢献できる工務店の育成に努めたい。
ユーザー・社会に伝えたいことびおハウスは、建築側だけでは完結されない。
住まい手の参加を必要としており、住まい手自身が、冬と夏の住まいの衣替え、モードの転換を愉しくはかることで、エネルギー消費は減り、また「快」と「健康」が得られる。
住宅は、その住宅の所有者のものであるけれど、同時に家の前を通る人のものでもあり、またエネルギー消費を減らすことは、社会の一員としてのモラルの問題である。
住まい手の自覚が、今、つよく求められている。
どこで購入できるか、どこで見られるか現在、建築中(愛知県小牧市及び福岡県北九州市)
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