サンブスギの家具

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家具

家具・インテリア用品

東京大学生産技術研究所 野城研究室(東京都) 伊藤博之建築設計事務所+OFDA(東京都)

2008年度 グッドデザイン賞 受賞

山林の手入れ不足に起因する「スギ非赤枯性溝腐病」による腐朽部分を、取り除くのでなく積極的にデザインに取り込んだ家具。

シンプルな形状も素材を強調しており、地域環境への意識を高めている。

サンブスギの家具の概要千葉県旧山武町は、17世紀から江戸や九十九里への一大木材供給地であり、その杉は建具や和船材として取引されていた。
しかし、近年の木材価格の低迷や森林所有者の高齢化による労働力不足から、山林の手入れが困難となり、「スギ非赤枯性溝腐病」の被害が蔓延している。
これらの現状を踏まえ、産学官連携で進められた山武市の「バイオマスタウン構想」の一環として、被害木を利用した家具の商品化が検討された。
普通であれば、腐朽部分のある欠点材であるが、その腐朽部分をデザインすることによって、ひとつの「個性」として価値化できないか、実際に家具を製作して、世に問うことにした。
達成しようとした目標現在でも腐朽部分を切除して、長尺を製材することが行われているが、正常部分だけを製材するには木取りの技術・時間がかかり、割高な材となってしまう。
そこで、腐朽部分を気にせずに幅広の板材に製材し、それらをデザインすることによって、逆に付加価値を生み出すことを試みた。
これらを踏まえて、実際に家具を制作し、地元の林業や木材加工業をはじめとする、山武杉と共に生きる産業を振興するビジネスモデルの開発を目指した。
プロデューサー東京大学生産技術研究所 野城研究室 信太洋行
ディレクター東京大学生産技術研究所 准教授 腰原幹雄
デザイナー伊藤博之建築設計事務所+OFDA 伊藤博之
サンブスギの家具のデザインについて環境問題への貢献という付加価値を持つだけでは、商品にはなりえず、デザインが優れたものでなければならないと考えた。
被害材はそのままでは、身近に置きたくなるような材料ではないので、それを如何に見せるかが課題であった。
材料の見え方をやや抽象的なものにするために、以下のことを考えた。
サンブスギの家具はどのような使用者・利用者を想定したか地域の施設などで利用を想定した。
また、環境とデザインの双方に関心があり、環境問題に前向きに取り組む一般生活者に対する販売も視野に入れている。
この家具を所有することが、たとえばハイブリッド車に乗るような環境問題への態度表明となるような商品となりえると考えた。
サンブスギの家具はその使用者・利用者にどのような価値を実現したか市役所などで展示し、被害材の積極的な利用の可能性を提示した。
破砕して木チップとして被害材を利用するような一般的な利用方法ではなく、材の特徴を生かしたデザインによって、材の欠点がむしろ付加価値とできることを示し、今後の他の方法による材の有効利用についての議論の場を提供したと考えている。
社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点近年の木材価格の低迷や森林所有者の高齢化による労働力不足から、山林の手入れが困難となり、「スギ非赤枯性溝腐病」の被害が蔓延するという悪循環を断つためには、被害木の高付加価値型の利用方法を提示し、山林の手入れをする「動機付け」を付与する必要があった。
その問題点に対し、どのように対応したか開発に当たっては、被害のレベルに応じて、被害木の炭化による堆肥利用や、ガス化による電力供給等に利用する一方、板状にカットし、腐朽部分を模様とした家具の天板への利用が検討された。
ここでは、木材加工業者の技術とデザイナーの発想との「すり合わせ」を通じて、溝腐れ部分の処理とデザインの両立を目指した。
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オフィシャルサイト http://www.ofda.jp/ito/works/type/06other/03/index.html#

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